愛車遍歴 車編 その3 マツダ・ロードスター
マツダの看板車種と言っていいほどのスポーツカー
マツダ・ロードスター。その2代目NB型後期型RS2である。
初めて買ったピュアスポーツカーであった。
この車が自分に与えた影響は多大であった。
今車に対する興味や知識、考え方はこの車に乗ったから出来上がったと言ってもいい。
今はもう手元に無いが、一緒に過ごした4年半のこの車の思い出を語っていく。
買ったのはフリーター時代、前述したベルタがそろそろ新車で買って3年。
車検の時期が近づいてきた。
正直ベルタなんて仕方なく買ったようなもんだしこの機会に買い換えたい。
どうせ買うならMTのスポーツカーに乗りたい!
ただ手持ちのお金はそんなに無いしベルタもそんな大した値付けも期待できない。
事故車だったしね。
安くて楽しい、しかもそんなに古くない。ってことでNBロードスターとRX-8が候補に上がってきた。
ディーラー時代隣の中古車センターでRX-8が置いてあってエンジンを掛けさせた貰った事がある。すごい軽快な吹け上がりとスコスコ入るシフトフィールに魅了された。
しかも値段もそんなに高くなくこなれてる。そういう理由だ。
ただ燃費は悪いしロータリーゆえの低速トルクの無さと高燃費、故障のリスクが気になった。
ロードスターは2シーターオープン+軽いし安い。しかも普通のファミリーカーに載せるような特に特徴のない普通の4気筒。
購入費はそれほど差がなかったと思うけど維持費が掛かるのは嫌だったのでロードスターを選んだんだと思う。
そんなわけでオークションに言って無事落札し、買ってきた。
運転席のシートは破れてたけどレカロシートに交換する気だったからそこは問題なかった。6万キロぐらいで90万ぐらいだったと思う。
正直相場よりちょっと高めだったかなと思った。その時は。
買った当時は車を弄るとかチューニングするとか全く興味なくて純正こそ至高だと思っていた。だからそういうことに対して否定的な考えを持っていた。
後日インテグラに乗っている友人にロードスターを見せたら驚いていた。
社外パーツが沢山ついててしかも高価なパーツがすごい付いてた。
なんのこっちゃと思ってたけどすごくお買い得だった。
覚えてる限り列挙してみよう。
オートエグゼのアンダーフレーム(高そう、剛性アップ?)
オードエグゼのワイパースポイラー?(謎パーツ)
オートエグゼの吸気のやつ?(めっちゃ吸う、そこそこ高い)
タワーバー(ブランド忘れた)
フジツボエキマニ(結構高い、バンテージ巻き)
マツダスピードマフラー(説明不要のやつ)
ボルクレーシングCE28(レイズのホイールの一番軽くて高いやつ、掃除しづらい)
マルハモータースの車高調(有名なロードスター専門店)
ダンロップDIREZZA Z2(ハイグリップタイヤの代名詞的なやつ)
なんかもうコテコテなぐらいてんこ盛りだった。
でも派手なパーツじゃなく分かる人が分かるみたいなチョイスだったから下品とかそんなのは一切なかった。
肝心な走りの方だが、乗ってみてすぐ感じた。
こんなに楽しく走る車は初めてだ!よくわからんけどクイッと曲がってすごく軽快だった。
ちょっと遠出して山道やら峠道をドライブするのがこんなにも楽しいなんて思わなかった。
友人に勧められてサーキットデビューすることになってチューニングショップにも出入りするようになってハマっていった。
やはり走り出すといろいろ変えたくなるようで、まず手始めにレカロのセミバケを貰って入れた。
オープンカーでサーキットを走るために必要な4点式ロールケージを取り付けてもらった。サイトウロールケージだったかな?
セミバケじゃしっくりこないのでレカロのRS-Gというフルバケを買い、マルハモータースのシートレールを組み合わせて取り付けた。
それにタカタの4点シートを組み合わせた。今は亡きタカタ、株も持っていたので思い出深い。色々ね。
MOMOハンドルを取り付けスペーサーで位置調整した。
そのうち固くなったタイヤをブリジストンのRE11AからのRE71Rに変えた。
状態知るためにDefiの水温油温油圧計をつけた。これは全部自分で取り付けたから思い出深い。
車高調がヘタってきたから戸田レーシングの車高調に交換した。
立ち上がり空転しないようクスコの1.5WAYのLSDを付けた。
ドリフトと定常円旋回の練習のために安いホイールセットを買った。
そしたら今度は油温がすぐ上がるようになったからオイルクーラーを取り付けた。
あと細々としたところをイジったりして結構金かけて楽しんでいた。
エンジン以外はもうやる必要がないだろうという感じだったのかな。
サーキットも主にモーターランド三河、美浜サーキット、YZサーキットと年間6.7回程度通っていた。
腕もそこそこ上がりそれなりタイムも出て非常に楽しく夢中だった。
だが車、特にモータースポーツは金が掛かる。
故に腕より金をかければかけるほど速い。そして軽量化と馬力が正義だった。
正直ロードスターではパワーにアドバンテージは無くコーナーで追いついたとしてもホームストレートで一気に離されてしまう。
腕よりパワー、そして金・・・。嫌という程感じさせられた。
そろそろエンジンにも手を入れたいなとハイカムやらスーパーチャージャーを検討したりして見積もりとったりもしてみた。ハイカムはほぼやる直前まで行ったけど50万程度は金かかるし最後の踏ん切りがつかなかった。
その間にもタイヤを交換しないといけない。最後の年は2セット交換した。
15インチだからかなり安いほうだけどそれでもハイグリップタイヤは寿命短いし値段高いしバカにならない。
そしてまた車高調がちょっとづつヘタっていくのを感じた。
これのオーバーホールをするとなるとまた結構な金額がかかる。
当時は実家で独身貴族を謳歌していたけど正直安月給だし結構辛かったと思う。
サーキット走れる車で一番安いレベルのロードスターでもかなり金額がかかっていた。
この先サーキット通いや維持し続けていく自信がどんどん無くなっていった。
決定打になったのは夏頃ソースカツ丼が急に食べたくなって敦賀までドライブがてらでかけた。行きの高速は空いてたからクーラーがそこそこ効いてたけど帰りは大渋滞にハマってクーラーが全く効かない。窓全開だけど幌の車なんて移動する温室みたいなもんでめちゃくちゃ暑い。帰ってきた頃には完全に心が折れてもういいやと思った。
次はもっとパワーあって便利でクーラーが効く車がほしい!
そしてめぼしいパーツを取り外し、手放した。
手放す直前最後にってことで鈴鹿サーキットの走行会に初めて参加した。
コースアウトして2回も赤旗降らせる奴と黄旗振られてるのに追い抜いてくる直線番長のR32に乗った初心者おっさんがいたりとかカオスだったけどまぁ楽しかった。
ホームストレートでレブリミットまで当たるなんて初めてだった。でも恐怖感は全然無かった。舗装が非常に高い精度で平らになってるのを感じた。帰りの高速道路ですごいグニャグニャに感じるほどだった
。
流石にパワー不足だったし、まず広すぎてどこを走ればいいのかとか、次どんなコーナーが来るのかとか全然わからなくて恐る恐るって感じだったけどいい経験になったかな。
ロードスターには車の面白さを教えてもらった。
重整備以外は結構DIYでパーツ付けたり修理したりで整備の楽しさも体験できた。
最初はイメージだけでチューニングに否定的だったけど見るからに効果が出て考えがかなり変わったと思う。
最初からある程度弄ってあったからなおさら良かったのかなと思う。
特に車高調が変わってて純正より固くなっててコーナリングが楽しかった。
またサーキットを走って車をコントロールする楽しさを目覚めさせてくれた。
アクセルで曲がるって言葉だけは知ってたけど実際どのような意味なのかよくわかってなかった。でもFRであるロードスターはコーナリングでアクセルを抜くとクイッと内側に曲がっていく感じがあった。これがすごく良かった。
サーキット走っててコーナリングでアクセルで調整する。タイヤのグリップと相談して滑る限界手前ギリギリを探る感じ。
テールスライドさせてカウンターで維持して綺麗にコーナーで円を描く。そのコントロールを探る。
こういうところが醍醐味なんじゃないかなと思う。
手放して1年ぐらいした時売ったことを後悔した事があった。
ただ今実家を出て一人暮らしだし、実家にあったガレージとか工具も無いから気軽に整備できないしで到底維持できないだろうしこれでいいのかなと思う。
お金もかかるしね。
最近レンタカーでNDロードスターを借りて遠出した機会があった。
ノーマルにもかかわらず足回りも硬すぎず柔らかすぎず、懸念の合った電スロのレスポンスもよく、1.5リットルだけどそれを感じさせないパワーと吹け上がり。
非常に良く出来ていた車だった。
停める場所とお金に余裕があれば欲しいなーとも思うけどそんなに乗ることも無いし、乗りたくなったらまた借りればいいのかな。
いろんな車を試せるし。
まぁ今現在は車を所有するなんて考えられないけど、いつの日かまたスポーツカーを買い、サーキットに復帰したい。